キヤノンシネズーム 512 
 形式  レギュラー8 25ft巻ダブル8mmロールフィルム使用
 レンズ  F1.2 8.5〜42.5mm 5倍ズーム  最短撮影距離1.2m
 テレコンバーター  専用テレコンバーターを併用してF1.2 14mm〜70mmとなる
 フィルター径  48mm テレコンバーターは72mm
 ピント合わせ  スプリットイメージ 
 ズーミング  手動ズーミング
 トリガーグリップ取り付け時は電動ズーミング可能
 測光方式  外部測光式 1.3V水銀電池1個使用 
 フィルム感度 (ISO)  10, 16, 20, 25, 40, 80, 160, (200, 250), 320
 絞り  ファインダー内で追針式で手動調整する 最少絞りF22
 シャッター開角度  165°〜0°連続可変 1/2,1/4開角度にロック可能
 こま速度  8, 12 ,16, 24, 32, 48, 64  ランニングロック可能 
 1こま撮影  可能
 フェーディング 手動
 動力  スプリングドライブ フルチャージで4m (24こま時約40秒)駆動 
 その他  正逆連動こま数計 全巻巻き戻し可能 顕微鏡撮影可能 
 質量 価格  1,700g 本体価格69,000円 1964年6月25日発売 
 特長
 スーパー8,シングル8が発売される前年,1964年(昭和39年)にキヤノンがその技術力を総結集して世の中に送り出したレギュラー8の最高傑作機の一つである。

 F1.2 5倍ズームという,5倍ズームでは当時世界最高の明るさのレンズながら,新種ガラスを6枚も使用した12群17枚構成により,当時の単焦点レンズをもしのぐすぐれた描写力を誇るとキヤノンでは言っている。

 シャッター開角度可変,1こま単位で全巻巻き戻せる正確無比な巻き戻し機構,8こまから64こま毎秒の広範囲なこま速度可変,1こま撮影,見やすいファインダーと切れの良いスプリットイメージと,フィルムサイズ以外はボレックス16ミリなどと同様に,求められる映画テクニックのほとんどが実現できる,驚異的な8ミリ撮影機である。

 スプリングは,ハンドル式で迅速な巻き上げが可能であり,しかも4mの駆動能力を持ち,ダブル8フィルム片面を2回の巻き上げで撮影できるようになっていた。

 単三電池2本をグリップに内蔵して,撮影機に取り付けると,電動ズーミングも可能となった。
翌年にスーパー8,シングル8が発売されたため,キヤノン最後のレギュラー8となったが,スーパー8に高級機が出現するまでの間は,人気を博した。

 キヤノンが技術力を総結集したこのレンズは,そのままスーパー8の518に使われている。スーパー8は画面面積が広いので,周辺までの描写力を確保するため,F1,8のレンズとして使用されている。スーパー8用のF1.2 5倍ズームが発売されるのは,随分たってからである。

 2010年末に撮影したが,描写力のたしかさはさすがである。