ツール・ド・九州 2005 in 七山 2005年全日本ラリー選手権2輪駆動部門第1戦 関東勢のアキラ、石城健司が奮闘するも 地元『七山キング』の榊雅広が貫禄勝ち スペシャルステージ本数:18本 スペシャルステージ総距離:54.78km 移動区間総距離:141.95km ラリー総距離:196.73km 路面:ドライ 4輪駆動部門、2輪駆動部門と2つの部門に分かれている全日本ラリー。そ の開幕戦は2輪駆動部門の ツール・ド・九州in七山。2輪駆動門は全クラスとも04年チャンピオンが不在で、シリーズを占うのも難しい状 況だ。長く七山村を舞台に開催されてきたこのラリーは、例年地元のスペシャリストが非常な速さを見せて おり、Bクラスでは七山キングの異名をとる榊雅広、七山番長の松尾薫が優勝候補の筆頭。これに対してア キラ、02年以来の全日本復帰となる石 城健司がどう戦うかが注目された。 ラリーは2〜4km強の3本の林道をリズム良くつなげたコンパクトな設定で、ワンミスが勝負に大きく影響 しそうだ。七山村に集まったのはAクラス22台、Bクラス32台、Cクラス6台の計60台。桜の花びらが舞う七 山村役場をスタートしていった。 総合優勝を争うBクラスでは、序盤から榊=インテグラと松尾=シビックの一騎打ちの様相を呈してい た。2人でベストタイムを分け合うものの、松尾が小さく勝って大きく負けるパターンで、榊が徐々に引き離 す。アキラ=セリカと石城=インテグラも必死に食らいつくが、徐々に差は開いていった。それでもなんとか 松尾を逆転しようとアタックを続けていた。これがプレッシャーとなったのか、あろうことか松尾はSS12でス ピン。復帰に20秒ほど手間取って4位にダウンしてしまった。45分のサービスを受けて最終セクションへ向 かった上位4台だったが、榊は十分なマージンを稼いでいてペースダウン、松尾も無理なアタックは敢行せ ず4位キープ。結果榊が優勝、アキラが2位、僅か3秒差で石城が3位、松尾4位のままゴールとなった。こ れで榊はこのラリー連勝を飾り、キングの異名が進化し、「七山エンペラー」と改名した。 Aクラスでは04年シリーズ3位の若槻幸治郎=マーチ、04年全日本ジムカーナN2クラスチャンピオンの 矢島融=シティ、さらには04年は活動を休止していた加藤博志=シティらが優勝候補。これに今回がデビュ ー戦となる藤木審哉のRX−7がどう戦うかが注目された。展開は、矢島と若槻のトップ争いに、藤木がつい ていく状況。だが矢島は徐々に若槻を引き離して行き、最終ステージでスピンを喫してあわや、と思わせた ものの、若槻に競り勝って、うれしい全日本ラリー初優勝を飾った。また藤木RX−7も3位に入り、マシンの ポテンシャルの高さをうかがわせた。 Cクラスは大庭誠介=スターレットと三好秀昌=フェアレディZの一騎打ちが予想された。だが三好はSS 5でマシンを土手にヒットしてリタイアしてしまった。こうなると大庭を押さえられる者はもういない。1分近く の大差をつけて大庭誠介がブッちぎりの優勝を飾った。
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