Pirates Magazine、パイレーツ突撃インタビュー第3弾!
今回は、バンドの顔でもあるフロント・マンの安達“銀次郎”敏さんの登場です。                    (インタビュー:寿美郎)
Q:安達さん、よろしくお願いします。
安:そげん緊張せんでよかろうもん。

Q:通称「銀次郎」と呼ばれていますが、名乗るきっかけはなんだったんでしょうか? 
  知りたいひとは多いと思うので・・・

安:山部(山善)さんが一時期、音楽休止して、四国に行った時に、「俺の曲は全部お前にやる」と言われて、博  多に山善ありと、その存在をアピールする為に、ネーミィングしました。 背が低い事がコンプレックスだっ  たので、本宮ひろしのマンガの 硬派 山崎 銀次郎の 生きざまに 憧れ 名付けました。
Q:善次郎に銀次郎・・・師弟関係っちゅうわけですね。
安:現役バリバリの山部さんと復活して43歳の安達ですからね。6歳年上で、よか先輩で、心から尊敬してます。
  山部さんには、慕っている沢山の後輩がいますから、俺だけが、師弟関係ではないやろう。本当に愛すべき素  晴らしい先輩。もちろん、田舎者のメンバー全員!克さん、角野さん、古沢さんなど初め、あの世代の人と出  会えた事自体が俺の財産やね。同じボーカルとして山部さんの影響を強く受けた事は事実やし、本当にお世話  になりました。この場を借りて、心より感謝申し上げます!

Q:安達さんって、典型的博多ん出たがりタイプに思われてるみたいですけど。
安:そうやね〜パッと見の性格は目立ちがり屋に見えるかもしれんけど、本来の性格は以外と地味で「縁の下の力  持ち」的存在に憧れを持っとっちゃんね〜。「え〜っ!?」って言われそうやね。(笑)何かを作り上げてい  くっちゅうプロセスが好きなんよね。
Q:以前はバンドのマネージメントも一切仕切ってやっていた時期もあったとか?いまはお役ご免なんでしょう
   か?それともやっぱり自分じゃなきゃ・・と思いますか?

安:基本的には、お世話係りは性にあっとうね。仕事でもマネージメント業務が多いよ。現在はドラムのテルに任  せてゆっくりとさせてもらっとう。最後まで、テルが、カンシャク回すまでお願いしますっつう感じです。

Q:そんな安達さんが、初めて人前で歌った歌は?
安:初めて人前で歌ったのは、中学3年の時、廣橋と中学の文化祭でバンドやったときかな? 最初はサイド・ギターやったっ   ちゃけどFが押さえられんで、すぐクビになってしもうた。 お決まりのビートルズやグランド・ファンクとかやったよ確   か。なんもわからんまま、音楽室で歌って下手な歌にもかかわらず「受けたばい!」ってのが運の尽きで、その快感が忘れ   られず病みつきになったったい。
グランド・ファンク・レールロードですか〜? 
安:あの陽水の「傘がない」の原曲のハ〜トブレ〜カ〜♪っちゅうやつよ。

Q:そうやってミュージシャン人生が始まったわけですが、自分のヴォーカルスタイルに影響を与えたと感じるアーチスト教えて下さい。

安:影響を受けたのは数知れんね。 ビートルズにストーンズから始まって、なんでんかんでん幅広く聞きよったばい。 ばっ   てん実際コピーをしたバンドに一番影響受けたろうね。 高校に入ったらロカビリー、そしてそれが疑問に感じたころ、京   都のブルースに対抗感燃やしてブルースやろう。 この頃、ソウルやR&Bに深く憧れを抱くようになったと思ったら、突然   パンクにガチョ〜〜ンってきて完璧ノックアウトされたね。 そこで博多初!最年少パンク・バンド「暴威頭」を結成!    安全ピンに破れたジーンズ。 母ちゃんから「乞食さんみたいな格好はヤメて! 貧乏人に見られて恥ずかしかろうが!」っ  て言われたよ。(笑) ばってん、乞食にさんづけはなかろうもんって。(笑) それから久しぶりに廣橋と再会して、    今まで憧れてきたパンクやソウルやR&Bのエッセンスが詰まったパブロックにはまって「パイレーツ結成」やね。 歌い    方や生き方での影響ってのはないっちゃけど、ヴォーカルの誰もが憧れる黒人シンガーみたいになりたいけど挫折してブル   ーアイドソウル・・・みたいなスタイルに傾倒していったかな? やっぱ、リー・ブリローやミンク・デビルとの出逢いは   衝撃的やったし、俺の中では金字塔!神様的存在やね。

Q:このカバーやったら誰にも負けんという一曲があれば・・・
安:誰にも負けないカバー?うーん?特になかばってん、長い事やっとう、パイレーツとフィールグッドはかなりイケとうと思   うけど? それからミンク・デビル、以外とロカビリー上手く歌えるばい。ロバート・ゴードン初め、ジーン・ビンセント   やら結構いい感じと 自負しとうけどね。
じゃぁ、いずれそんな曲もライヴで聞けるかも知れませんね。

Q:昔のパイレーツと現在のパイレーツの違いを一言で言うと
安:ステージで怖面の顔をせんでよくなったことかな?(笑)
「怖面の顔をせんでよくなった」???ホームページの写真を見る限り充分怖いですよ。
安:20年近くの時間的な問題もあるし、メンバー1人ひとりのの思い・思惑は微妙に温度差があるかも知れんね。「アダルト路   線」や「ポップ路線」も若干匂わせつつパブロック路線が中心に自然体で進化して行くやろうや。18や20歳に書いた詩を   平気な顔して歌うのにはさすがに照れるね。(笑)
Q:具体的に照れる歌詞のフレーズを・・
安:具体的な歌詞は、勘弁しちゃってん!あの若くてトンガっていた気持ちで書いた歌詞が、恥ずかしいっちゅうか、くすぐっ   たいちゅうか、でも本当の気持ちなんで、そのころの自分を思いだして懐かしさもあるたい。どのへんか?は、みんなの想   像にまかせるよ。

Q:怖い顔で思い出したんですけど、伝説の「L−MOTION RAG」出演。「今の博多のバンドはチャラチャラしよって    ・・・」の発言、あれは最初からかましてやろうという思いだったのでしょうか?
安:三日三晩寝ずに考えました。(笑) サンハウス、田舎者、などの解散後、 博多ロックシーンは、女に媚びる見え見えの、   軟弱・ポップ路線のバンドがタケノコのごとわいてきて、硬派路線は一つもなく、実際、自分たちだけだと思っていたし、   男に惚れられるバンドを目指しとったけんね。バンドマンの視聴率が高い番組やったし、狙った発言やった。当時、あの後   、いろんなバンドから、「あれは俺たちの事か?」と問いただしが殺到したし、波紋を投げかけれた機会でした。

Q:今後のパイレーツの野望について(笑)
安:野望?そんなもん無かけど、夜10時からのトレンディドラマの主題歌と、ソニーかホンダのコマーシャルソングに選ばれ   て全国オンエアーを狙ってます!(笑)

Q:今日はありがとうございました。 みんな一日も早いライヴを期待してますんで、よろしくおねがいしますね。
安:いやいやどうも。 じゃっ、これから小峰んとこまで付き合う?
  え〜〜〜っ!