ルールセクション

ディプロマシーとは

 このゲームでは、各プレイヤーは20世紀初頭のヨーロッパ列国の指導者となる。そして他国(他のプレイヤー)との交渉・紛争を行いつつ、遂には自国を欧州の覇者とすることが目的である。

勝利条件

 ある1人のプレイヤーが18の補給都市(マップ上の●のあるエリア)をその支配下としたなら、その時点でそのプレイヤーは「ヨーロッパの覇者」となり、勝利を得たことになる。

ターン進行

 各回は実際の半年にあたる。ゲームは1901年から始まるので、第1ターンは1901年春、第2ターンは1901年秋とする。次は1902年春、1902年秋というように進行していく。

外交交渉

 プレイヤーは各回の自軍駒の移動を決定する前に、他のプレイヤーと交渉・話し合いを行うための時間を持つ。これを「外交交渉時間(ディプロマシーピリオド)」という。このHPのゲームにおいては、外交交渉時間を2週間持つこととする。
 外交交渉時間中には、全プレイヤーは自分の発言したいことは全て発言する権利がある。発言したくないことはしなくてよい。このHPのゲームにおいては外交交渉の基本はメールのやり取りになるであろうが、もし必要とあればチャットや電話、都合が合うのならば本人同士オフラインで会合するのも自由である。

マップと駒

 地図は20世紀初頭のヨーロッパをあらわしている。そして細い破線でエリアごとに区切られている。陸は陸上エリア、海は海上エリアであり、それぞれのエリアにはその名が記されている。陸上エリアは通常の書体、海上エリアは斜体で書かれていることに注意。
海軍ユニットと陸軍ユニット(左の例はイギリス)

移動と命令

 1つのエリアには、陸上海上を問わず1つの駒しか位置することはできない。
 各プレイヤーは自分の駒の全部に移動の命令を下しても、また一部に対して下してもよい。そして全く移動命令を下さぬことも可である。
 1つの駒に対しては1回に1つの命令しか下すことができない。陸軍駒に対する命令には次の3種がある。移動・支援・維持である。海軍駒に対しては移動・支援・維持・輸送の4つである。
 陸軍駒は1回の移動で隣接した陸上エリアに移動することができる。

Munichのドイツ陸軍駒は、Kiel、Ruhr、Burgandy、Tyrolia、Bohemia、Silesia、Berlinへの移動命令を与えることができる。

 海軍駒は1回の移動で隣接した海上エリアまたは陸上エリア沿岸に移動することができる。沿岸に位置すればその陸上エリアに位置したことになり、その陸上エリアを支配したことになる。

Londonのイギリス海軍駒は、North Sea、English Channel、Yorkshire(沿岸エリア)、Wales(沿岸エリア)への移動命令を与えることができる。

 同エリアとなる命令を受けた駒が複数ある場合には、紛争が発生する。(後述)
 陸上エリア沿岸に位置している海軍駒は1回の移動では、位置している沿岸と沿岸線に沿って隣接している陸上エリア沿岸にのみ移動でき、沿岸線を通じては隣接していることにならないような陸上エリア沿岸には移動できない。例えばRomeからTuscanyまたはNaplesへは移動できるが、RomeからVeniceへは移動することはできない。

RomeからVeniceへ移動する命令を与えても、それは無効となる。

 駒は全てイギリスを除くほかの島に侵入することはできない。またSwitzerland(スイス)や名の記してないところにも入ることができない。
 なお、維持とは停止の事である。
 このゲームにおいては、移動ということがその侵入しようとするエリアに対する攻撃と言う意味となる場合が多いことに注意。
 各回の外交交渉時間が終了したなら、次にその回の駒への命令を各自決定する。各プレイヤーは各回とも自軍の全駒に対して命令をしなくてはならない。(命令は管理者にメールで投稿することになるが、その方法は後述)
 全プレイヤーの命令が管理者に投稿されたら、次にその回の移動を行う。ルール上許されない命令は無効となり、プレイヤーが誤った意図の命令を投稿した場合には、ルール上可能なものであればその通り実行しなければならない。同時に2つの命令を2つの駒に与えるような意味に取れる命令は無効とする。意味がわかりにくい悪い書き方の命令は、ある1つの意味にのみ読み取れるものであるなら、その通り実行されなければならない。また、命令が無効となったら維持と考える。

紛争

 各回の移動は、全て同時に行われるものとみなす。したがって移動する命令を受けていても阻止される場合がある。
 同一のエリアに入る命令を受けた駒が複数ある場合、そのいずれも進入できない。また停止(移動以外)の命令を受けた駒や移動を阻止されて止まっている駒のあるエリアに入る命令を受けた駒は、そのエリアへ侵入できない。そして2つの駒が互いに今いるエリアに入る命令を受けている場合にも、その2つの駒とも移動することはできない。

この場合、Munichのドイツ軍とViennaのオーストリア軍はどちらもBohemiaに侵入できない。


この場合、Munichのドイツ軍はBohemiaにオーストリア軍が存在するため侵入できない。

このように移動命令が実行不可な状況をスタンドオフ(Stand-off)と呼ぶ。このような場合、駒の陸・海、駒のプレイヤーが同一であるかどうかなどは全く考慮に入れる必要はないものである。

支援

1)支援の命令
 駒は自らの移動をしない回には、その回に他の駒が行う移動、維持の行動を支援することができる。駒が支援を与えられるエリアは、支援を行う駒が1回の移動で進入できるような(もちろんそのエリアに駒がないような場合に)エリア、つまり隣接したエリアのみである。詳しく言えば隣接したエリアに移動しようとする駒に対する支援、そして隣接したエリアを維持しようとしとどまっている駒に対する支援が行えるわけである。なお陸・海軍駒どちらでも支援は行える。海軍駒が陸軍駒に、陸軍駒が海軍駒に支援を与えることも可能である。しかし、海軍駒は沿岸を持たない内陸の陸上エリアに、また沿岸線によって隣接していないエリアに対しては、無論支援を与えることはできない。そして陸軍駒は海上エリアに対しては支援を与えることはできない。
2)支援の効果
 駒は支援を受けることによって駒の命令行動を行う力が強くなる。と考えればよい。つまり、紛争の項で明記されているような状況となった場合、命令行動をしようとしている駒のうち、その命令行動を支援している駒数が最も多い駒のみが命令を実行することができる。支援駒が同数の場合は効果が相殺となり、紛争の項で説明したとおりになる。
 より多い支援駒数を持って攻撃されたエリアの駒は撃退されたことになり、後退または全滅としなければならない。

Bohemiaのオーストリア軍がTyroliaのオーストリア軍から支援を受けている場合、Munichのドイツ軍は後退もしくは全滅する。
Munichのドイツ軍がBerlinのドイツ陸軍から支援を受けていた場合、スタンドオフが発生しオーストリア軍は侵入できない。
(Kielのドイツ海軍は、Munichは進入不可能なエリアなので支援は行えない。)

3)自軍を撃退する行動の禁止
 紛争の項で説明したうち、次の例外を設ける。
 自国駒が移動することを見越して、そのエリアへの移動を他の自国駒へ命令し、先の駒がその移動を阻止されエリアにとどまっている場合には、そのエリアへの自国駒の移動命令は無効となる。しかしこのような移動命令はそのエリアへの他国駒の侵入に対してはスタンドオフの状況としてしまう効果は有する。
各駒が上記の移動命令を受けている場合、Silesiaのオーストリア陸軍とBerlinのドイツ陸軍の間にスタンドオフが発生する。
そのためBohemiaのオーストリア陸軍のSilesiaへの移動命令は無効となり、Munichのドイツ陸軍の移動も阻止される。
この場合でも、Warsawのロシア陸軍の移動はBohemiaのオーストリア陸軍の移動とのスタンドオフの発生により阻止される。
結果として、この場合どの駒も移動できず今の配置のままである。

 また自国駒の移動を見越して、他の自国駒の支援を与えて他国駒をそのエリアに侵入させるような場合でも、先の自国駒の移動が阻止された時には、この自国駒の支援命令も無効となる。そしてこの場合には支援命令が変化してそのエリアにとどまっている自国駒の維持に対する支援となることに注意しなければならない。
4)自国駒によるスタンドオフ
 自国駒を撃退することになる命令は無効となり、実行されないのであるが、自国駒をスタンドオフにはなしうる。同一のエリアに同数の支援を持って移動するような命令は、スタンドオフとなりそのどちらも進入することができない。なおこのような場合でも、他の駒より多い支援駒数を持って進入しようとしている駒はそのエリアに入ることができる。
5)同時攻撃によるスタンドオフ
 撃退されると言う状況はそのエリアに他の駒が進入可能な状況が起こったことによって生まれる。従って2つの駒が同数の支援を受けて1つのエリアに入ろうとする場合には、スタンドオフとなり双方とも進入不可であり、そのエリアにあった駒は撃退されないことになる。
6)維持に対する支援
 移動の命令を受けていない駒は他の駒によって維持のための支援を受けることができる。移動の命令を受けている駒はその移動に対する支援のみ受けることができる。
 なお支援をする駒と支援される駒は隣接していなくてもよいことに注意すること。支援を与えようとするエリアに隣接していればよいわけである。
 また支援命令を受けた駒は輸送を行うことはできない。
7)スタンドオフ駒の撃退
 支援の項の5)で説明した状況でエリアに入ろうとする駒が2つの場合、その1方が入ろうとしているエリアにいる駒の攻撃によって阻止されてしまったようなときには、もう1方の入ろうとしている駒は進入可となってしまう。

支援の無効

 支援を与えたところとは別のエリアから攻撃された場合、また支援を与えたエリアも含めてどこかのエリアから攻撃を受け撃退されてしまった場合、その駒に与えられていた支援命令は無効となる。

後退

 その回の全ての移動が終わった時点で、撃退されたと認められるものはそのエリアより出なければならない。これを後退という。後退は隣接したエリアへ行うこと。また移動ルールによって禁止されているような動きはできない。そしてそれによって撃退された相手の駒がいたエリアにも後退できない。以上の規定に合う、駒の位置していないエリアにのみ後退できるわけである。
 後退することができない駒は全滅となり、地図上から取り除く。
1)後退する駒が複数ある時には、駒のプレイヤーが自軍駒の後退エリアを、他のプレイヤーとの相談なしにあらためて投稿し、その通りに実行される。
2)プレイヤーは自軍駒を後退させず全滅としてもよい。1つのエリアに複数の駒が後退してきた場合は、その全てが全滅となる。

輸送

1)海上エリアにいる海軍駒は、輸送命令を受けることにより、その海上エリアに隣接している陸上エリアにいる陸軍駒を、その海上エリアを通してたの隣接している陸上エリアに移動させることができる。陸軍駒は会場エリアを飛び越して陸上から陸上へ1回の移動で行けるわけである。
 他国の陸軍駒を輸送することも可である。
 なお1つの駒は1つの駒しか1回に輸送することはできない。
2)連続した海エリアに海軍駒を置くことにより、それらの海上エリアを通して陸軍駒を1つ輸送することもできる。陸軍駒は1回移動で陸上から陸上へ移動することができる訳である。
3)輸送命令を受けた海軍駒が撃退されてしまった場合には、その陸軍駒は輸送前の陸上エリアにとどまるだけでよい。海軍駒が攻撃はされたが、撃退されなかった場合には、輸送には全く影響なしとする。
4)海上輸送のルートが複数あるような輸送においては、1つの陸軍駒を輸送するために2つのルートを用意しても、2つのルートのうち1つでも輸送不可となったときにはその陸軍駒の輸送はできないものとする。
5)輸送を行っている海軍駒に対して攻撃を行っている敵海軍駒を支援している敵海軍駒に対して、輸送されてきた陸軍駒が攻撃を行っても、その敵海軍駒の支援任務を無効にはできないものとする。

駒の増減

1)補給都市の支配
 毎年の秋の回終了時(後退も行った後)補給都市のある陸上エリアに駒を有しているプレイヤーは、その補給都市を支配したものとする。
 1度支配下とした補給都市は、そのエリアから駒が出ていっても、他のプレイヤーによって上記条件が満たされたい限り、そのプレイヤーの支配下と見なす。
2)駒の増減
 毎年の秋の回終了時(後退も行った後)各プレイヤーは支配下としている補給都市数を数え、そして自分が地図上に有している駒の数と比べる。駒数の方が多ければ都市数まで減らさなければならない。都市数の方が多ければその数まで増やしてよい。
 増やせる場合には、新しく登場させる駒は陸・海どちらでもよいが、登場するエリアは自国内の駒のいない補給都市のあるエリアでなくてはならない。また海軍駒はもちろん沿岸のあるエリアでなくてはならない。このようなエリアがない時には、その新しい駒は次の秋の回終了時まで登場することができない。その時にもエリアがない場合にはまた次の秋ということになる。
 減らさなくてはならぬ場合、どの駒を取り除くかはそのプレイヤーの任意である。
 この増減の際には、他のプレイヤーと相談することなく、内容は管理者に投稿すること。

特殊地域

1)Kiel(キール)とConstantinople(コンスタンチノープル)
 地図を見るとこの2つの地域は沿岸線で繋がっていない2つの沿岸を持っているように見える。しかし、このキールとコンスタンチノープルはそれぞれ沿岸は1つと見なす。つまり、ある回に1方の側の沿岸に位置した海軍駒は、次の回にはもう1方の沿岸から海上エリアや他の陸上エリア沿岸に移動することができるものとする。陸軍駒にとってはこの2つのエリアは通常の陸上エリアと同じである。
2)2ヵ所の沿岸を持つ陸上エリア
 通常、各陸上エリアは1つの沿岸しか有していない。しかしBulgaria(ブルガリア)、Spain(スペイン)、St.Petersburg(サン・ペテルスブルグ)は2ヵ所の沿岸を有するものとする。その2つの沿岸にはそれぞれ北岸・南岸(North・South Coast)と記してある。北岸と南岸はそれぞれ別な位置として扱う。移動命令を書く時には北岸・南岸の別を明記すること。
 このようなエリアの1方の沿岸に隣接している(1回で移動できる)ところにいる海軍駒はその陸上エリアに対する「支援」を行うことができるものとする。つまり、マルセイユにいる海軍駒はスペインに対する行動に対して支援を行えるわけである。その支援がスペイン北岸に侵入する海軍駒に対してでも可能である。またスペイン北岸に位置している海軍駒はマルセイユへの支援を行うことはできない。なぜなら1回の移動で進入することができないエリアだからである。(支援ルール参照)
3)Sweden(スウェーデン)とDenmark(デンマーク)
 陸軍駒も海軍駒もSweden(スウェーデン)からDenmark(デンマーク)へ1回の移動で移動可能である。(もちろん逆方向の移動も可)なお、海軍駒が沿岸から沿岸へと言う意味であるのは言うまでもない。
 また海軍駒はBaltic SeaとSkaggeerak間は、1回の移動では直接入ることはできない。まず、Sweden(スウェーデン)かDenmark(デンマーク)の沿岸に移動しなくてはならない。それから、地図ではSweden(スウェーデン)の沿岸が2つに分かれてあるように見えるが、1つとして扱うことに注意。
 また、Denmark(デンマーク)とBerlinのエリアは隣接したものでないことにも注意。

命令書の書式

命令は自軍各駒に対して個々に与えられるのであるから、まず命令を与える駒を明確にする。つまり、陸・海軍の別そして位置しているエリア名である。次に前出した命令の種類をはっきり書き、移動するのであれば移動先のエリア名を書く。

例)
維持の場合
(北海の海軍を維持)
イギリス:海軍 North Sea(北海) 維持

移動の場合(北海の海軍をノルウェーへ移動)
イギリス:海軍 North Sea(北海)-Norway(ノルウェー)

支援の場合(北海の海軍が、Kiel(キール)のドイツ陸軍がHolland(オランダ)へ移動するのを支援)
イギリス:海軍 North Sea(北海)
      支援 ドイツ:陸軍 Kiel(キール)-Holland(オランダ)

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