○改訂版仙術・仙宝


 改訂版とは?

 央華封神のルールブックは、2001年4月に改訂版が発売されました。細々としたルールの変更や、仙術・仙宝の追加がありましたが、基本的な内容に変化はありません。…いや、むしろルールの変更は加えない方が良いのではないかという、ちょっといただけない内容でした(苦笑)
 しかし、追加された仙術や仙宝には、導入した方がより面白くなりそうなものがあるので、ここで紹介します。



 追加された仙術についての、軽めの注意事項

 改訂版で変更されたルールに「精神値ダメージ」というものがあり、追加仙術の中にはこれに関わるものもあります。ここには改訂版に記載された内容をほぼそのまま載せて、現行ルールにどう適用するかは、私の個人的意見を合わせて書いています。私自身で決めかねたところは、「ハウスルールの検討が必要」と記述しておきました。
 また、もう一つの変更されたルールに「濁業値」というものがあります。これはそのまま「徳減少」として記載しました。
 改訂版には記載の落ちがいくつか見られたので、私の加筆もあります。


 最も重要な注意事項

 改訂版は変更されたルールにあわせて、ほぼ全ての妖怪たちのデータが「生命値の増加」という形で変更されています。五遁土行の「土像」、召鬼の「護法」、変化・幻術の「仮幻戦士」、厭魅・厭勝の「兵衛」のデータも同様に変更されています。当然、虎などの禽獣のデータも変更されました。
 これらに関しては、改訂版ルールをそのまま適用すると、ゲームバランスが著しく変化してしまうおそれがあるので、あらためてハウスルールを検討する必要があると思われます。
 これらの手下を使役する仙術は、仙術そのものに変更はない場合でも、手下の能力値・技能値・耐久値とともに、ここに掲載しています。


 追加仙術

五遁 木行
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
以木行制土 吸33仙術1つ一瞬なし
 土行仙術あるいはそれに類する土行によるダメージを軽減します。対象仙術のダメージ決定のさいころの1つから「1D」分を引きます。どのさいころの目を減らすかは、術者のものも含め、すべてのさいころが振られてから決めることができます。減らした結果は、最低を「0」として扱います。
以木行為微笑 安4難易度抵抗1体一瞬なし
 相手の心を安らげることができます。これにより、その相手との交渉では、術者の魅力を12として扱うことができます。
 同時に、相手の精神値ダメージを1点回復させますが、術者自身は逆にストレスを身代わりになって受けてしまうため、2点の精神値ダメージを受けなければなりません。
※旧版のルールに合わせるため、精神値ダメージに関する効果は無視してください。
命木行為遮幕 隠5難易度抵抗敵1体一瞬なし
 木の葉を舞わせて視界を覆い隠します。これにより、相手の攻撃/受けと回避は-2されます。
以木行為二矢 射7難易度抵抗敵1体一瞬不可なし
 小枝を矢と変えて敵1体に射ち込みます。矢には、影矢が伴っていて、目標が抵抗に失敗したら、その両方が命中し、[1D+仙術行使:2列]のダメージを与えます。例え抵抗に成功したとしても、影矢の方は必ず命中します。この時には1Dのみのダメージを与えます。
五遁 火行
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
以火行制金 鈍33仙術1つ一瞬なし
 金行仙術あるいはそれに類する金行によるダメージを軽減します。対象仙術のダメージ決定のさいころの1つから「1D」分を引きます。どのさいころの目を減らすかは、術者のものも含め、すべてのさいころが振られてから決めることができます。減らした結果は、最低を「0」として扱います。
以火行為浄火 祓5難易度なし/抵抗空間一日不可なし
 陰気を祓う浄化の炎で、簡易の陣を作り出します。炎は、1丈半径で球面(地上であれば半球面)を作り、燃えつづけます(視界は閉ざしません)。陰気の強い存在(五生百怪のうち、五凶によって生まれたものや邪仙)がこの炎に触れた場合、1D+仙術行使値ダメージを受けることになります。肉体のない鬼であっても、ダメージを与えられます。
 そうした陰気の存在で、知性のないものは、操られているのでなければ、この炎には近づいてきません。知性のあるものは、それぞれの判断(覚悟)のもとに、超えてくることがあります。
以火行為熱獄 焦9難易度抵抗敵1体一瞬不可なし
 敵1体の周囲の空気を耐えがたい高温に変えます。目標は、抵抗に失敗したら、[1D+仙術行使:全列]のダメージを受けます。
五遁 土行
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
命土行知陰気 判2難易度変化空間一瞬不可なし
 五遁サイズ/成功難易度表にしたがって、難易度は決められます。その範囲内での土地の、土の性質を判別し、作物が育つかどうか、陰気で汚されていないかどうかが判ります。同時に、術者の五遁土行仙術行使月以内に、その土地に死者が葬られた(放置されていたものも含みます)なら、その事実も判ります。
以土行制水 止33仙術1つ一瞬なし
 水行仙術あるいはそれに類する水行によるダメージを軽減します。対象仙術のダメージ決定のさいころの1つから「1D」分を引きます。どのさいころの目を減らすかは、術者のものも含め、すべてのさいころが振られてから決めることができます。減らした結果は、最低を「0」として扱います。
以土行為散石 弾7難易度変化敵1体一瞬なし
 敵1体に握り拳大の石を立て続けに浴びせかけます。抵抗に失敗したものは[1D+仙術行使:3列]のダメージを受けることになります。
以土行為人像 動991体一日なし
 土を集めて、地面から人の形をした土像を作り、自在にあやつります。戦闘にも使えます。
○土像の能力
体力10 体格6 器用8 機敏10 知識4 知覚2 意思× 仙骨× 魅力2
攻撃/受け9 回避8 仙術行使× 仙術抵抗4
生命値22 天命数3 精神値×
五遁 金行
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
命金行知汚 教22武器1つ一瞬不可なし
 金属製の武器、青銅の剣などに触れて使います。その武器が人の血を吸ったことがあるかどうかがわかります。それがいつかはわかりません。
以金行制木 削33仙術1つ一瞬なし
 木行仙術あるいはそれに類する木行によるダメージを軽減します。対象仙術のダメージ決定のさいころの1つから「1D」分を引きます。どのさいころの目を減らすかは、術者のものも含め、すべてのさいころが振られてから決めることができます。減らした結果は、最低を「0」として扱います。
以金行為連針 刺6難易度抵抗敵1体一瞬なし
 2本の針を連続して射ち込み、抵抗に失敗した敵に[1D+仙術行使:2列]のダメージを与えます。
五遁 水行
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
以水行清水 生2難易度変化空間一瞬不可なし
 空間に清水を湧き出させます。水量は「五遁サイズ成功難易度表」によりますが、いかに大量の水を作り出しても、その勢いでダメージを与えるという用途には使用できません。
以水行生木 長221体一瞬不可なし
 水をかけることで木行の存在を癒します。ふつうの木や草であれば、完全に回復しますし、木の妖怪など(そこから成仙したものも含め)であれば、1D+仙術行使ダメージを回復します。
 また、この術は事故や病で失った毛髪を再生させることもできます。
以水行制火 冷33仙術1つ一瞬なし
 火行仙術あるいはそれに類する火行によるダメージを軽減します。対象仙術のダメージ決定のさいころの1つから「1D」分を引きます。どのさいころの目を減らすかは、術者のものも含め、すべてのさいころが振られてから決めることができます。減らした結果は、最低を「0」として扱います。
以水行為霧霞 噴4なし1体一瞬なし
 液体を霧状にして吹き付けます。それ自体では効果は全くありませんが、巫蠱の丹(液体に限る)であれば、それの効果が期待できます。
命水行沈水 溺9難易度抵抗敵1体一瞬不可なし
 相手の周囲を水塊で閉ざし、溺れさせます。抵抗に失敗した敵は、[1D+仙術行使:全列]のダメージを負います。呼吸していないもの、水中でも呼吸できるものには効果がありません。しかし、長時間息を止めていられるだけの存在(仙人など)は、ダメージを免れることはできません。(術の効果で水を飲んでしまいます。)



変化・幻術
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
変化目/舌/鼻/耳 増感11本人短時間不可なし
 目、舌、鼻、耳を大きくして、その感覚を増大させます。感覚能力は、通常の10倍程度に増強されます。大きくした感覚器官を用いて何かを見つけようとするときには、術者は知覚の判定に+4のボーナスを得ます。この仙術を用いて回避、仙術抵抗は変化しません。
変化口増声11本人短時間不可なし
 口を大きくして、声を大きくします。術者の声は、通常の10倍の距離まで聞こえるようになります。
変化肥身/痩身3難易度変化本人短時間なし
 術者の体格を大きく/小さくします。成功難易度は2+(体格を1上下するごとに1)です。ただし、変化縮身/大身と違い、体力は変化しません。体格の変化は、回避、生命値を増減させます。見た目としては、極度に痩せたり肥ったりすることになります。
 また、身長は変わらないため、体格を5以上変化させることはできません。
変化朋友44本人短時間なし
 仲間そっくりに化け、その能力をコピーすることができます。能力値はすべて仲間と等しくなり、攻撃/受け、回避、仙術抵抗は仲間の値-1となります。耐久値とそれまでに受けたダメージはコピーされず、自らのものがそのままです。衣類はそっくりになりますが、仙宝の能力まではコピーできません。(見た目は同じようになります。)
 仙術行使もまた、コピーして手に入れることができますが、それは-4されます(0になってしまうと、仙術は行使できません。)。また、使える仙術は、術者が(仲間が使っているのを)実際に目撃したものだけです。
 一緒に旅する仲間(ありていに言えば、他のプレイヤー・キャラクター)にしか、化けることはできません。
仮現戦士7難易度抵抗空間短時間なし
 幻の兵士を作りだし、戦わせます。兵士は目に見え、触れることもできますが、音は立てず匂いも(味も)ありません。相手が信じているなら、幻の兵士は傷を負わせることも可能です。
○仮幻戦士の能力
体力6 体格6 器用6 機敏6 知識6 知覚6 意思× 仙骨× 魅力6
攻撃/受け7 回避6 仙術行使× 仙術抵抗7
生命値17 天命数2 精神値×
変化猛虎/強鷲/撃鮫88本人短時間なし
 それぞれ、虎、鷲、鮫に変身することができます。体力・体格・器用・機敏の各能力値、攻撃/受け・回避の技能値、生命値は、変化したものと同じになります。その他の能力値、技能値、耐久値は変化しません。
 なお、鮫に変身した場合でも、地上で窒息することはありません。



召鬼
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
祈願 使鬼哨戒5なし空間1日不可なし
 使鬼に、特定の空間をぐるぐる巡らせ、見張りとします。巡ることのできる範囲は、周囲1里(300メートル)半径内で、ルートは自由に設定できますが、途中で変更することはできません(この術をかけなおせばすむことですが)。
 哨戒範囲内に侵入者や異変があった場合、使鬼は、術者のもとに直ちにそれを知らせに戻ります。哨戒中の使鬼は実体を持ちません。
祈願 三尸憶封6難易度抵抗1体永続1
 特定のもの(個人、事件など)に関する記憶を封じます。対象は、そのもの及び、それに関することをいっさい思い出すことができなくなります。
 記憶は封じられているだけで、抹消されているわけではないので、「祈願 三尸憶探」を使えば、読み取ることは可能です。しかし、「祈願 三尸探心」では、見つけ出すことはできません。
祈願 職人宿身7なし本人永続不可なし
 職人を冥界から招いて、自分にとり憑かせて働いてもらいます。材料さえあれば鉄剣を鍛えることも可能です。
 ただし、キャラクターは1日ごとに1点の精神値ダメージを受けます。
※旧版ルールには精神値ダメージが存在しないので、この術にはハウスルールが必要です。
祈願 衰鬼吸命7難易度抵抗敵1体永続不可1
 目標に、病死、餓死した人間の霊をとり憑かせます。とり憑かれたものは、1呼吸(1戦闘ラウンド)ごとに生命値が1点ずつ減っていきます(ダメージブロックへのダメージではなく、生命値そのものの減少です)。
 術が解かれれば、生命値は元に戻りますが、生命値の減少が死亡を招いた場合は、術を解かれても生きかえりません。
祈願 三尸乱心8難易度抵抗敵1体一瞬不可なし
 目標の精神に三尸を送りこみ、撹乱します。結果として、目標に1D+仙術行使の精神値ダメージを与えます。しかし、この術が失敗した場合、三尸は術者を襲います。そのため、術者は自身が1D(のみ)のダメージを受けることになります。
※旧版ルールには精神値ダメージが存在しないので、この術にはハウスルールが必要です。
祈願 護法常傍1010化護法1体永続なし
 護法を1体召喚して、常に自分の側で仕えるように命じます。以降は、護法を召喚する術を行使しなくても、自在に護法を使うことができます。
 「祈願 護法宿身」の効果を得ることもでき、このときは護法は非実体化します。
○護法の能力
体力12 体格8 器用10 機敏12 知識6 知覚8 意思12 仙骨× 魅力6
攻撃/受け10 回避9 仙術行使× 仙術抵抗6
生命値27 天命数3 精神値27



長嘯
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
誘人唱5難易度抵抗人1人一瞬不可なし
 人間を呼び寄せます。術者はよく知っている人間(仲間の仙人なども含まれます)を呼ぶこともできますし、周囲にいる人間から無差別に呼ぶこともできます。無差別に呼び出した場合には、誰が現れるか、ゲームマスターが決定してください。
 呼ばれて望まぬものは、抵抗を試みることができます。師匠を呼んだら、「師匠の一筆」を使用したのと同等であるとみなします。(来たくない=援助不要と思った師匠は抵抗しちゃうでしょうね…。)
開道唱77視界内集中不可なし
 この術を唱えながら歩くと、あらゆる自然が自ら道を開きます。山であれば平坦な道が開け、海であれば人の渡れる波の道ができることでしょう。ただし、効果があるのは自然だけなので、邪魔をする生き物をこの術でどけることはできません。また、人が作った家や壁などにも効果はありません。



風水・卜占
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
我知時法紡機会33本人短時間不可なし
 この術をかけた以降のラウンド、術者は連続攻撃において、ダメージで「1」を振っても、自ら精神値に1点のダメージを負うことで、それを継続することができます。二度目以降の「1」に対しても、その都度精神値に1点ダメージを負うならば、いつまでも継続させてもかまいません。
 しかし、受けきられた場合はもちろん、「割りこみ受け」によって妨害された場合にも、連続攻撃はやはり終了します。
※旧版ルールには精神値ダメージが存在しないので、この術にはハウスルールが必要です。
我知空理記録5なし術1つ永続不可なし
 風水の理では、人の感知しうるのは、空間のごく一部であり、通常は目に見えず、知ることのできない隙間が無数に空いているとされます。こうした隙間、すなわち空隙は、通常の空間を支配する法則にとらわれず、A→B→Cと巡る方が、直接A→Cと行くより近かったりするような、不思議な性質を持っています。いわゆる縮地の法は、この空隙とその性質を利用しています。
 この術は、空隙に文字を記録し、符=自作仙宝とします。記録した場所に関わらず、どこでも使用することができます。そして、これは通常の仙宝における器用の所持数制限に含まれません。
 術者は、自らの風水・卜占仙術行使÷5(端数切り上げ)だけの符を空隙に書いておくことができます。超過して書いてしまった場合、どの符を使って(読んで)しまうかは無作為に決めなければなりません。通常の仙宝の取り出しと異なり、時間を余分にかけても望みのものを選択することはできません。
 術を解いた場合、その空隙に書かれていた符も同時に消滅します。



禁呪
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
禁覆則不能隠33物体1つ短時間不可なし
 この術をかけると、何らかの方法で物理的に隠されているもの(落とし穴、隠し戸棚、服の下につっこんだ盗んだ腰巻など)が出現します。効果範囲は、ごく狭く、ちゃんと術者が指定しなければなりません。
禁風則不能舞4なし空間短時間なし
 直径1丈の空間の空気の流れを止めて、舞い散る花粉や煙などを地面に落とします。空気に混ざって運ばれるものなら、何でも止めて地面に落とすことができます。
禁指則不能巧5難易度抵抗敵1体永続0+1/日
 目標の指は、自在に動かすことができなくなります。ある程度ぎこちなくはあっても、ものを掴んだりは可能で、武器などを取り落とすことはありません。しかし、導印は結べなくなり、仙宝の取出しにも余分に1ラウンド消費します(さもなくば、持ちすぎの時のようにランダムに取り出すことになります)。この術にかかった状態で器用の能力値判定を行わねばならないときは、それを「0」として扱います。
禁舌則不能嘘5難易度抵抗1体永続不可0+1/日
 抵抗に失敗した目標は、いっさいの嘘をつけなくなります。ただし、黙して語らずは可能です。
禁羽則不能飛5難易度抵抗敵1体短時間なし
 羽の動きを止めて飛べなくする術です。この術をかけられると、羽を動かすことができなくなり、地面に落ちてしまいます。高さによっては、助からないこともあるでしょう。
禁闇則不能暗6難易度変化空間体短時間なし
 周囲の闇を消し去り、あたりを昼間の明るさにします。難易度は、どのくらいの空間を明るくするかによって変化します。10丈(30メートル)四方ならば5、1里(300メートル)四方ならば6です。



巫蠱
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
耐火丹3なし味方1体短時間なし
 炎から身を守る丹です。炎から来るダメージを2点減少します。
広視丹4なし味方1体1日なし
 視界を360°に拡大します。そのために、背後から奇襲を受けるようなことはなくなります。しかし、物陰に隠れているものが見えるようになるわけではありません。
 戦闘においては、回避に+1のボーナスを得ることができます。
 この丹の効果がある間は、使用者の目はせわしなく動きつづけます。そのため、他人と交渉するときの、魅力の能力値判定において-4のペナルティが課せられます。
痒々丹4難易度抵抗敵1体短時間不可なし
 抵抗に失敗した目標は、身体の一部が痒くてたまらなくなります。そこを掻くまでは、器用、機敏、知識、知覚、意思がすべて-1されます。
 どこが痒くなるかは1Dを振って、無作為に決定されます。
1:頭
2:首筋
3:二の腕
4:背中(自分で掻くには機敏で難易度6の判定が必要)
5:股間(掻いてしまったら、精神値に1Dダメージ)
6:足のうら(靴を脱ぐには1ラウンド必要)
気息丹5なし1体一瞬不可なし
 肉体的、精神的ショックなどによって失神したり、行動不能になったキャラクターを癒し、意識を取り戻させます。このとき、意識を回復したキャラクターは精神値に1点のダメージを負います。意識を回復したラウンドには行動できません。
※旧版ルールには精神値ダメージが存在しないので、この術にはハウスルールが必要です。
拡視丹6なし味方1体一瞬不可なし
 対象の視力を瞬間的に増大します。あらかじめ見ようとするもの、場所などに視線を合わせておき、この丹を飲む(あるいは塗る、吹きかけてもらうなど)すると、視力がほぼ百倍に拡大されます。ごく小さな物を顕微鏡のごとく見ることも、遠くのものを望遠鏡のごとく見ることも可能です。
 視力が増大するのは一瞬であるため、対象をちゃんと記憶するには、知覚で能力値判定が必要になります。知人であるかどうかを見分けるなら、難易度は6、後でスケッチできるぐらい正確に覚えようと思うなら、難易度は12です。対象が動かなければ、何度もこの術を使って、繰り返し確認することができるので、能力値判定は不要です。
防腐丹7なし1体又は1つ一週間なし
 物が腐らないようにする丹です。この丹を使えば、一週間の間、腐敗するのを防ぐことができます。臓腑を腐らせるような濁業術に対しても、割りこみで使って防ぐことができます。
※「一週間」という概念は央華世界にはないはずなので、9日に訂正するのが適当でしょう…。
養命丹8難易度抵抗1体短時間なし/1
 丸一日休息したに等しい効果を与える丹です。不眠による疲労や、継続している麻痺、毒などを消し去ることもできます。
 ただし、この丹の影響を受けたものは、1Dを3回振らねばなりません。それがすべて「1」だった場合、1年の年齢ダメージを受け、同時に巫蠱術者は徳が1点減少します。
癒心丹9難易度抵抗味方1体一瞬なし
 使用者の陥った永続的狂気を癒します。しかし、この丹を使った場合、精神値が1D÷2(端数切り上げ)永遠に減少します。
透視丹9なし味方1体短時間なし/1
 透視能力がつき、壁の向こうや、体内が見えます。人間と妖怪は、体内の構造はさほど変わりませんが、人間を喰らったら未消化のものが見えるかもしれません。
 不埒な目的で、他人の裸体を透視した場合には、徳値が減少します。また、見たものによっては(消化中の人間とか…)恐怖判定が必要になる場合もあります。



厭魅・厭勝
名称行使値難易度対象持続時間割りこみ徳減少
似姿 等反応4なし味方1人永続なし
 人形に仲間の髪を結んでおくことで、仲間の状態をその人形で知ることができます。具体的には、その仲間が傷ついたとき、人形が同様に傷つくのです。
依形代 解縛5難易度変化味方1体一瞬なし
 あらゆる束縛・呪縛から対象を解き放ちます。縄を解くくらいなら難易度は5ですが、牢を破るなら10、仙術や陣を破るならその行使値です。
似術 等返害6なし/抵抗仙術1つ一瞬専用なし
 仙術、もしくは、それに類するダメージを与える攻撃に対して使用できます。術者はただちに1Dを振り、それに自身の仙術行使を加えます。その値と、本来の攻撃のダメージを比較します。より大きいほうが、敵にダメージを与えますが、それは、より小さいほうのダメージを引いた値に減じられます(抵抗は別に行われ、抵抗に成功すればやはりダメージは受けません)。同じ値になったときには、どちらにもダメージは与えられません。「割りこみ」で使用するため、ダメージと対抗ダメージの決定は、抵抗判定を行う前です。注意してください。
 集団に対して行使された攻撃にも反撃できます。このときは、先にダメージ(と対抗ダメージ)を定め、比較して、判定を行います。
 たとえば、6人の集団に対して攻撃を行い、この術で反撃があったとします。元攻撃のダメージがそれぞれ、8、9、10、11、12、13で、この術の対抗ダメージが10であったとすると、元攻撃者に、2点、1点が返され、味方の後半3人には、1点、2点、3点のダメージが振りかかることになります。複数のダメージが元攻撃者に返された場合、それは、ダメージブロック上では、一つ一つ別のダメージとして適用されます。
※先の例で言えば、返された2点、1点のダメージは、ダメージ適用ルールにしたがって、一つずつ、最も被害の少ないダメージブロックから順番に適用していくということです。
 この術を使うには、対抗しようとする仙術(や攻撃)に準じた依代を要します。火行仙術に対しては小さな火種であり、蜈蜂袋に対するなら蜂(死骸でも可)です。
 こうしたものをあらかじめ用意しているか、あるはとっさに用意できる状態で、はじめてこの術を使えるのです。
似兵 等戦7難易度変化兵衛短時間なし
 兵衛術の一つで、武具を備えた人形から兵士を作り出します。同時に作る兵衛の数で成功難易度は変わります。難易度は「6+作り出す兵衛の数」です。
 まったく同じ命令であれば、使用者は同時にすべての兵衛にその命令を与えることができます。
○兵衛の能力
体力9 体格6 器用6 機敏6 知識1 知覚× 意思6 仙骨× 魅力2
攻撃/受け7 回避4 仙術行使× 仙術抵抗6
生命値21 天命数2 精神値×
依形代 生分身77知人1人(無記載)不可なし
 髪などを切りぬいて、よく知っている人物の人形を作り、息を吹きかけることで、その人物のコピーを作ることができます。コピーは感情を持たず、会話もできませんが、つられて歩くことくらいはできます。普通の人間になら、多少の違和感を感じさせることはあっても、見ぬかれることはほとんどありません。
 この分身を、一目で仙術による分身だと見破るには、抵抗判定に成功しなければなりません。ただし、召鬼の「祈願 見鬼顕正」や風水・卜占の「我知世理照妖」の術が用いられると、人形の正体は自動的に(人形は仙術に抵抗できない)暴かれてしまいます。
※ルールブックに持続時間の記載が落ちていますが、とりあえず、一日くらいが適当でしょう。
依形代 不離得8難易度抵抗任意の人物又は物体2つ永続不可なし
 異なる2つの形代をくくりつけることによって、対象をつないだまま離れさせぬようにします。
 術自体は濁業術ではありませんが、使用目的や結果によっては、濁業となることもあるでしょう。




 追加仙宝

全洞統共通仙宝
次元環(じげんかん)9年道具大きさを変えるために口訣が必要
 本来は風水・卜占の仙宝です。
 青銅でできた一対の円環で、片方からものを潜らせると、円環同士がいかに離れていようとも、もう片方から現れます。


五遁 木行
克怖編蔓輪(こくふへんまんりん)9ヶ月道具口訣不要
 蔓でできたこの輪を頭にはめておけば、冒険中1回だけ恐怖による精神値ダメージを半分(切り上げ)できます。
※旧版のルールに合わせると、「冒険中1度だけ、恐怖判定に+3の修正」くらいが適当でしょうか?
五遁 金行
斬金鋏(ざんきんきょう)9年自動武器要口訣
 大きな蟹や海老のはさみを鍛えて作ります。普段は普通のサイズのはさみですが、口訣を唱えると巨大な鋏になって敵に襲いかかります。斬金鋏の攻撃/受けは、使用者の五遁金行仙術行使に、回避は仙術抵抗に等しくなります。
 斬金鋏の刃は鋭く、水衣や甲衣、鉄身丹などのあらゆる防御を無視してダメージを与えます。ただし、火尖槍などの燃えている武器で受けられると、刃が溶けてしまい、一日かけて研ぎなおすまで攻撃/受けが-3されます。さらにこの状態では、防具などによってダメージが防がれてしまいます。
深知牌(しんちはい)9年道具要口訣
 知識を使った能力値判定において、能力値を20として判定できます。ただし、この際他の仙術や仙宝の修正は加えられません。
 牌は同時に複数持つことはできず、1つの牌は1回しか使えません。


変化・幻術
化顔筆(けがんひつ)9ヶ月道具口訣不要
 直接他人の顔の上に似顔絵を描くように使うことで、その顔を丸一日の間、まったく別人のものに変えることができる筆です。変えられることを望まない者は、使用者の変化・幻術仙術行使に対して抵抗判定を行うことができます。
 使用者は、似せようとする顔を良く知っていて、それをきちんと思い浮かべなければなりません。いい加減な記憶や想像で描いた場合、その絵の技術に即した顔になってしまいます。その場合、絵画を趣味を持ち、器用で難易度10の判定に成功した場合のみ、ちゃんとした人間の顔を描くことができます。
 変わるのは顔だけです。体つきは変わりません。
 使用者は、鏡を使わない限り本人自身の顔を変えることはできません。鏡を使う場合でも、器用で難易度8の判定が必要です。(左右裏返しの顔で良いなら判定不要です)
如意梯(にょいてい)9年道具兼武器口訣不要
 口訣によって一里ほどの長さまで伸ばせる梯子です。
 武器として10丈以内の敵を攻撃することもできます。ただし、木製武器なので、攻撃/受けに-2の修正を受けます。
 体格0〜12の敵に対しては、ダメージを与えるかわりに捕獲を試みることもできます。この目的で使用した場合、攻撃が命中してもダメージは与えられませんが、相手を梯子の格子の中に捕らえることになります。捕らえられたものは武器などで攻撃することはできず、受けと回避には-2のペナルティを受けます。しかし、直後の自分の行動順に体力対体力、または機敏対機敏の対抗判定を行い、成功すれば脱出できます。空を飛べるなら、判定の必要なく飛び出せるでしょう。
 梯子の使用者は口訣を唱えることで、捕らえた敵を戦場からはるか遠くに送ってしまうことができます。この時には、使用者の仙術行使と捕らえられたものの仙術抵抗で判定を行います。
 相手が10丈以内にいて、抵抗しないならば、使用者はいつでも梯子を回収できます。


召鬼
魂還石(こんかんせき)9ヶ月道具要口訣
 10センチほどの、中に光が見える小さな石です。
 使用すると死者にかりそめの命を与えることができます。効果時間は、死後1〜2日程度の死体なら1日ですが、死んでから時間が経っているほど短くなり、死体が骨になってしまうと、もはや復活させることはできません。
 使用するとただの石になってしまいますが、1週間後に再び光が灯り、使用可能になります。一度使用した死体に再度使用することはできません。


長嘯
声送袋(せいそうたい)9ヶ月道具口訣不要
 小さな巾着の形をした、2つ1組の仙宝です。
 片方の口を開いて中に向かって話すと、もう片方の袋から声が聞こえてきます。声の届く距離は一里までです。


風水・卜占
測時玉(そくじぎょく)9日道具口訣不要
 子供の拳より小さな玉で、中では小さな太陽と月が動いています。
 仙人がこれを見れば、現在の月と日時を読み取ることができます。ぼんやり光っているので、暗い場所でも読み取ることができます。
解理尺(かいりしゃく)9ヶ月道具口訣不要
 ものさしのような細長い板を組み合わせたような形をしています。
 これをうまく使用することで、「我知術理見陣/符」の判定に+1できます。また、「我知術理見陣/符」の裏成功の反動を、この尺を破壊することで無効化できます。
 この仙宝は風水・卜占の術者しか使えません。
碧壁粉(へきへきふん)9ヶ月道具口訣不要
 青い甲羅を原料にして作った、粉絵の具です。
 「我知陣理画牢」「我知陣理画砦」「我知陣理誤岐」の術に合わせて使用すると、+1の修正を得られます。
広袖衣(こうしゅうい)9ヶ月衣類口訣不要
 袖が広い空間になっていて、持てる仙宝の数が+1されます。
保鮮壺(ほせんこ)9ヶ月道具口訣不要
 見た目は普通の壷ですが、壷の中は時が流れないので、入れた物は百年たっても入れた時のままです。
七星矛(しちせいぼう)9年武器特殊効果使用時に要口訣
 幅広の刃に七星を刻んだ矛です。
 口訣を唱えると先端がドリルのように回転し、攻撃/受けの修正が+1から+2に上昇します。ただし、この効果を使うと、以降丸1日はプラス修正が0になります。
退鬼傘(たいきさん)9年道具要口訣
 この傘を広げ口訣を唱えると、周囲10丈以内のあらゆる屍鬼は使用者の風水・卜占仙術行使に対し抵抗判定を行わなければなりません。これに失敗するとただちに10丈より遠くへ逃げ去ります。また、傘が広げられている間は、屍鬼は自発的には10丈以内に近づこうとせず、強制された場合にも、抵抗判定に成功しなければ近寄ることができません。
 傘は、最大で丸1日までその効果を発揮します。ただし、一旦閉じた場合、開いていたのと同じ時間だけ経過しなければ、もう一度開くことはできません。


禁呪
仙鳥扇(せんちょうせん)9年道具/武器要口訣
 仙鳥の羽で作った扇で、宙に浮く能力があり、自動的にあおいでくれます。
 口訣を唱えると、宙を飛んで敵を攻撃します。ただし、常に移動攻撃扱いになるので、連続攻撃も裏成功もできません。命中判定には、使用者の攻撃/受けを使います。


巫蠱
鉄嘴神鷹(てっししんよう)9年道具要口訣
 腰袋につめられた、鋼鉄の嘴を持った鷹の群れです。行使値7の攻撃仙術として扱い、抵抗に失敗したものすべてに1D+7のダメージを与えます。
 また、蜈蜂袋に対して割りこみで使用すると、鷹が蜂をついばんで、蜈蜂袋の効果を無効化できます。また逆に蜈蜂袋が鉄嘴神鷹に割りこんで無効化することも可能です。
 鉄嘴神鷹の使用回数は1D回(最低2回)です。