●竹酢原液と竹炭チップの効果について● 20年程前から長生蘭、風貴蘭、エビネ、春蘭、万年青、等とその他も和蘭を育てていますが、当初、このような古典園芸にたずさわる方が経験される害虫による食害や過湿による根腐れなどに悩まされました。諸先輩の本や体験談などからなんとか順調に棚の鉢達も元気に育つようになりましたが、やはりナメクジやカタツムリによる食害は夜中に懐中電灯を持っての見回りしかありません。ナメクジ駆除の薬もありますが、一雨降れば効果は薄れてしまい、春から梅雨明けまでの新芽・花芽には神経をくばりました。 昔から使われている水ゴケ植えは伝統的な美しさ清潔さ気品さえ感じますが、10年ほど前から竹炭による植え込みを試みたところ、健康ブームの雑誌やテレビ番組などでも紹介されてご周知の方も多い事と思いますが、特に炭の多孔質が蘭には最適な植え込み材料として良い事に気がつきました。炭のアルカリ性の問題も同じ県内にあります竹炭工房・和仁さんのご協力により竹炭チップに特殊な処理をすることにより解決し、永い期間植え替えの必要無く腐らない材料での植え込みに出会えました。(永い期間とは10年でも大丈夫な鉢もありますが、新芽の成長がいちじるしく鉢一杯の株立ちになりますので4〜5年で株分けか大きな鉢への移植は必要になりますが、増えにくい品種でしたら経験上から最低でも5年は植え替え不要と思います) 植え込みの方法は鉢の下半分に大きな破片の竹炭を隙間が出来るくらいに入れ根をふんわりとかぶせた後にチップ状の竹炭で首の所まで植え込んでやればいいだけです。春蘭、長生蘭、風貴蘭でもう10年ほど育てていますが、クレイベストのような植え込み素材よりも水切れよくゼオライト並の根腐れ防止効果があります。楢炭、備長炭、その他の木炭も試しましたが、やはり備長炭の10倍の多孔質と言われる竹炭が一番育ちが健全で花付きも豪華でした。これはカルシウムやカリウム、ナトリウム、鉄分など天然のミネラルが豊富な竹炭チップでの植え込みの最大にして最高のメリットであり、よく蘭の本などに6月ごろに草木灰を水で薄めたものを与えていた先達の知恵からも想像できると思います。無機質にして呼吸をし、植物に有効なものを与える竹炭の効果は人知の想像をはるかに超えたものだと蘭の成長から学べます。 竹炭自体もナメクジ等の苦手なものですが、竹炭を作る際に作られる「竹酢液」も園芸農家などが早くから使っていますし、蘭の愛好家の間でも噂になってはいますが確かな優れものです。竹酢原液を20倍以上に薄めて噴霧器などで蘭鉢の棚付近や蘭そのものにも散布してやると、二週間後には葉の色艶に違いが現われます。これは足繁く蘭を育てていらっしゃる方なら一目でわかる効果です。私は肥料と一緒に噴霧器に混ぜて春から二週間に一度の割合で3〜4回与えますが、私の蘭園のナメクジはいっせいに居なくなりました。昔、悩まされていた食われた後の新芽を見なくて済むのです。何でも万能な物はありませんし、人体や環境に害のない竹酢ですから完璧とは言いませんが、蘭園の3000鉢のうち食べられる新芽は2〜3本です。あの夜回りからも開放されました。私も水ゴケ植えは好きな方ですが、現在300鉢ほどの蘭は竹炭チップで育てています。長年の経験から大株を育てるのにはこの植え方が最適と確信して、現在販売しております。 |
竹炭チップ植え・竹酢原液を散布した青甲竜を五年前に5本立ちで植えこんだもの やはり5年前に竹炭で植え込んだ富貴蘭・熊本山採り・青軸青根 2004年 五鳳記 竹酢原液説明ページへ |