●冬支度・・・薪ストーブ●




冬の我が家は薪ストーブが大活躍する。ここは福岡県なので別に北国ではないのだが、冬はやはり寒い。自分の家のまわりに薪が沢山積んであるのを見ると「今年も冬を越せる。」という安心感がある。

ところが今年はまだ薪を集めていなかった。「秋だなぁ」などとのんきに思っていたら、気が付いたらもう冬に突入してしまった。
そんなわけで慌てて薪を集めに行く。軽トラックにチェーンソーを積んで、民家を解体した廃材の積んである広場へ・・・。

廃材にはくぎやボルトが沢山打ち付けてあるので、チェーンソーの歯がそのような金属に当たらないように、チョークで切断する部分に印をつける。

慣れない頃は、チェーンソーの目立て(刃を研ぐこと)も知らなかったし、うまく出来なかったので、とにかく力まかせに切っていた。これはけっこう腰を痛めるし、エンジンにも負荷がかかる。でも、当時はまだ若かったので、そんなことは気にせずに「ぐいぐい」と切り続けた。

でもやはり30代半ばになると体力だけでは持続しないので、とにかく機械の性能を最大限に発揮できるように工夫をする。それが「目立て」と、歯をいためないように廃材を切る工夫。ちなみに竹を切るときと、木材を切るときでは目立ての歯の立て方(歯の角度)が違う。どう違うのか説明はしないが、とにかく上手に目立てが出来ると、力をほとんどかけないでチェーンソーの重さだけで大きな材木が白菜を切るように「スッ」と切れる。

とにかく午前中の1時間ほどの作業で軽トラック1杯に薪を積んで帰ってきた。(これだけでは足りないので、まだ数回切りに行かないと・・。)

現在我が家には2台の薪ストーブがある。1台は自宅の居間にあり、もう一台は作業小屋の中。前シーズンに使って、煙突の掃除をしていなかったので(すすやタールが溜まる。)、煙突掃除に取り掛かる。煙突がきれいでないと燃焼効率が悪くなり、ちっとも暖かくない上に、煙が逆流したり、さらにすすが溜まる。だいたい月に1回くらいは煙突掃除をする。

薪ストーブ画像(別ウインドウで開く

さて、この薪ストーブは暖房のためだけにあるのではない。非常に沢山のしかも重要な役割がある。お湯を沸かす、おでんやカレーを煮込む、ご飯を炊く(おこげが出来る。)、パンを焼く、芋を焼く・・・食べ物だけではない。冬場の乾燥しない洗濯物をまとめて一気に乾かす。我が家の子供はほとんど布オムツだったので、洗ったオムツを乾かす。面白いほどすぐに乾く。

おき(もう死語だな。炭に火がついて真っ赤な状態)が沢山出来るので、宴会が始まると、七輪に移して餅を焼く、魚を焼く・・

だいたい6畳+8畳くらいの部屋を充分に暖める。工房の作業場のストーブは、隣の展示場まで充分に温める。しかも、体の内部から暖めてくれる。
だから冬場に来たお客さんは、時間があればコーヒーを入れて焼き芋や銀杏を焼いて食べてゆっくり過ごせる。外が雪でも部屋の中は暖かく、しかもゆらゆらゆれる炎を見ていると1日過ごしても飽きない。だから冬が楽しみ楽しみ。

現在、家屋を壊した廃材のほとんどは焼却処分している。もちろん古民家再生や年代ものの大きな梁などは一部再利用されることがあろうが、ほとんどは燃やされるだけである(しかも最近は処理にもお金がかかる)。もったいない。それならば、やはり薪ストーブの熱源として利用するべきだろう。

そういう点で、自然のエネルギーの有効利用なのだ。我が家の冬場の電気代・灯油の消費量は極端に少ない。(灯油屋さんが非常に不思議がっていた。)だから田舎暮らしを始めた知り合い・友人にはせっせと薪ストーブを勧める。チェーンソーで切る手間を惜しんではいけない。エネルギーの有効利用のために、是非やるべき。



2002.11.26


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