●『ミリオネア』放映が終わって・・●



実は我が家にはテレビがない。従って、『クイズ・ミリオネア』という番組の存在を知らなかった。
ただ、今回、回答者で出演した平田さんに「こういう役割があるから出て。」と言われて、よくわからないままOKしたのであった。

しかも、よくわからないのは僕だけではないのだ。

今回電話番で登場した男性3人は全員炭焼き仲間で、この3人のうち2人(僕と佐賀のO君)の家にはテレビがなくて、もう一人(長崎のM君)は番組をまともに見たことがない・・・。心もとないのである。
唯一、紅一点のRさんは数回見たことがあり、芸能関係に詳しいので(ほかの3人は疎い。)一番頼りになったのである。

とにかく出場者の平田さんは電話による出題と回答数回、東京へ行って面接と試験などなど数段階の難関をクリアして、本番前日に福岡空港を発った。

平田さんの留守宅に我々は夕方5時に侵入し、録画していたミリオネア数回をビデオで見る。ようやくルールがわかった頃、収録のスタッフが登場。若者一人・・・。ホームビデオを持っている。
今回が3回目だと言う。今まで君が収録したうち電話が鳴ったのは何回?と聞くと、「一回もないんですよ。」と言うので「縁起が悪い。他のスタッフと替われ 替われ。」などと罵る。

スタッフのS君に番組の説明を聞き、収録するときのメンバーの配置などを打ち合わせた。説明でわかったことは、早押しクイズで上がったときにスタッフのS君にスタジオから電話で連絡が入り、そのまま電話はつなぎっぱなしだが、こちらはスタジオの状況はわからず、映像も見れないのである。正解かどうかだけ教えられる。

S君が「平田さんの応援メッセージの練習をします。」と言って、本番の配置どうりに皆並んで、「さぁ、どうぞ!」と言われるが、
全然盛り上がらないのである。「もっと元気よく」とかいうけどやはり盛り上がらないのである。O君が「俺たちもう若者じゃないから目の前に現実がないと盛り上がれないんだよな」という。あぁ。まさにそのとおりなのだ。S君は「大丈夫かなぁ・・」と非常に心配する。

7:30頃に平田さんの携帯から連絡が入り、「本番は8:20から」と知らされる。

8:30・・・8:40・・・8:50電話は鳴らない・・・。
8:55頃、電話が鳴った。ドッキリ!M君が緊張して出る。
みんな緊張している・・・。
「はい、もしもし。」・・・なーんだ。僕の妻からであった。
一同、力が抜ける。

9:10頃また電話が鳴った。今度は本当にスタジオからで、平田さんが早押しを抜けたところだった。

その後は打ち合わせのスケジュール通り。『正解』が知らされる。
そのたびにこっちもだんだん盛り上がってくる。

いよいよテレフォンを使うということで、M君が電話を替わり、僕が質問をメモする・・・。あとはテレビで写った通り。
一応正解で、心もとない我々4人は役に立ったようである。

スタジオで奥さんが「え?¥100でいいと?ホントかなぁ〜?」と言っているのがわかったのがおかしかったな。

しかしその後の問題は・・・。
キウイの原産は・・・ニュージーランドだ。
決まってるじゃないか!正解だー!とか言っていたら、間違いだった。ツイてないよな。出場した他の三人はそんなに引っ掛け問題もなかったのに・・・。

残念。
収録後に平田さんから電話「残念だ〜。でもテレフォン使えてよかった。僕はまぁ仕方ないなと思ったけど、嫁さんがへこんでる。」
と言っていた。そうだよな、あの賞金じゃ、上京する旅費も出なかっただろうな。

それにしても、収録時に電話が鳴って一番緊張していたのは、スタッフのS君だったのだ。ずっと「ドキドキする」「緊張する」と言っていたが、「良い映像が撮れた」と喜んで東京に帰っていった。

律儀な平田さんはその数日後、「残念会をしよう。」と言って、一席設けてくれたのである。みんな「いい思い出ができた」と盛り上がった。ありがとう。

ちなみに平田さんの紹介ビデオは、収録後2週間ほどして取材に来たのである。平田さんの炭焼き場は、この取材を機会に大掃除をして、大変きれいになった。そのゴミの量は1.5tトラックに山積み。
この大掃除が平田さんの今回の出演の最大の収穫だったかもしれない。

そして、僕らがどんな感じで仕事をしているか少し皆さんに伝わったと思います。



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