「投資しませんか?」
このパターンのセールスは多い。
だいたいは電話で「今度そのあたりの担当になったので、明日伺います。」と言う。
こっちの都合も聞かずに明日はないだろう。
「明日はいないよ」
と言うと、
「じゃ、あさって」
とか言ってきりがないのである。
そもそも投資なんかするお金持ってないのに、ターゲットを間違えているんだけどな・・・。
ただ、地方の小さな町なので高齢者が多いため、きっと小金を貯めている人たちを狙っているんだろう。
あるセールスの男は高校の同窓だと言って
「福岡に知り合いがいないので、先輩のところに相談に行きます。」
などと言うので
「貴様ほんとに来るんか?」
と怒鳴ったら来なかった。
お互いに時間を浪費して、不愉快になるくらいなら来て貰わない方がいい。
たいていは電話の応対で諦めるのだが、断ったのに
一人だけ『やって来た』男がいた。20代後半くらいの。
「忙しいから・・」と断ったところ
「パンフレットだけ置いていきますので読んでおいて下さい」と。
「でも興味ないし、金持たないからな。」
「また伺います」これだけのやり取りで帰った。
挨拶だけと思った。
ところが2日後に来るのである。
「この前の資料読んでいただけましたか?」
「読んでない。この前言ったとおりそんなお金ないよ。それにお金がかからないような生活してるからね。」
「でもお子さんが大きくなって、いろいろお金が必要に・・・」
「だから、その日暮らしみたいなもんなんだよ。金より時間のすごし方に重点を置いているんだ。その時その時で考えて生活すればいいんだ。」
などとあまり記憶が定かではないが、こんなやり取りをしていたら、男が怒ったのである。真剣に。
「こんなだらしない生活をしていたら、子供さんがかわいそうだし、安定した収入も入らないでしょ!」
だらしない・・・(-""-;)。はいはいそうですか。
アズキの相場で生活が安定するのか?
それで子供の教育や生活費が確実に入るのか?
だったらみんなアズキで生活して仕事なんかしないだろうに。
「昔じいちゃんがアズキの相場で大損をして、借金だらけになった。」と言う話はよく聞く話だ。こんな話こそだらしないではないか。
いろいろ言いたかったが、
「全くその通り。でもない物は無いから、もっとお金のある人の所に行った方がいいよ。」と、丁寧に断って、男は帰っていった。
セールスに来た男に生き方について説教されるとは思わなかった・・・。
ふーんだ。一人の人間の価値は『どれだけ稼ぐか』よりも、もっと大切なものがあるはずだろ。それぞれの人間で、多様な『生きるテーマ』があるはずだ。
お金を右から左に動かす人間にとって、僕のような人間の生き方というのは、全く理解できなかったのだろう。
逆に僕にとって、ああいうセールスで一人の男が生活できる給料が入ること自体が不思議だ。
あぁ、つい暴走してしまった・・・。
2002.6.29 |
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