もともとそんなに片付けが上手な方ではない。
それでも大学や会社で研究していた頃は、データや論文は整然と整理していたつもりではある。自分でも惚れ惚れしていた。
ところが結婚してそんな気楽なことは言えなくなった。
妻は僕より片付け方が数段うわてだったのである。
ひとつの机を妻と共有するようになって、お互いの書類が重なったりするともう何がどこにあるのかわからなくなった。一人ならゴチャッとしていても目的のもののありかはすぐわかる。そしてすぐ整理できるのだが、複数になるともう手遅れだ。
「ここはおれの聖域ぞ!」と叫んでもむなしいくらい状況は深刻に進んでいた。
この状況を打破するべく、かつてベストセラーになった『超整理法』というのを実行した。時間別に書類をファイル(封筒)に整理して、重要なものは『神様ファイル』というのを作ってしまっておくのだ。
最初のうちは上手くいっていた。ところが、なぜか『神様ファイル』すらどこかにいってしまう・・・。笑う妻。(^。^) 笑うな。
かくして『超整理法』は崩壊した。(わずかな残骸は今も残っている。)
そしてなお悪いことに、娘(ひか坊)が歩きだしたのが予想以上に早く、机の書類や物を避難させるのが遅かった。引き出しのものは引っ張り出し、引き出しを踏み台にして机の上に乗っかり、本棚の書類や本をぶちまける・・。
おまけに大事な書類の上に子供の本やオモチャ、しまいには食べ物まで置かれるようになった。
かくして机の引き出しは娘のおもちゃ入れになった。ボールペンや鉛筆はことごとくなくなる。
息子(しんべえ)もやはり同じように踏み台にして、ぶちまける。もうここは安全ではない。逃げよう。
そこで、避難するために小屋を作った。棚も作って広々と自由に作業したり、事務仕事をしよう。\(^-^)/バンザーイ
ところが、妻は部屋に納まらないもろもろをこの部屋に置くように要求する。たちまち一杯になった。狭い・・・。
今度は隣の物置になっている部屋を片付けて、パソコン部屋兼工房のお客さんの応接室にした。ここも『聖域ぞ!』と主張したのもつかの間、妻はミシンを置き、子供がおもちゃを持ち込み、お菓子を食べ散らかす。たちまちごちゃごちゃになった。
もはや僕の『聖域』は存在しなくなった。大事なものに限ってどこにいったかわからなくなる。大事なものは子供たちの目に付いてはいけないので、高いところや隙間に隠す。しかし子供たちは目新しいものは目ざとく見つけるので、より高いところ、見つけにくいところに隠す。またどこに置いたかわからなくなる。
探し物で時間を費やす。例のメロディーが頭の中をぐるぐる駆け巡る。
このように必要なものが見つからない。片付かない。
いつ片付くのか・・。
2002.08.01 |
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