●自宅で出産を2●



生まれた日の朝、みんな起きて朝食を済ませた後、赤ちゃんの初めての沐浴。きれいに生まれてきたので、みんな一眠りしてから入れることにしていた。

それにしてもおとなしい子なのだ。上の二人はやたら騒々しいので『今度の子は男でも女でもいいからおとなしい子を・・』と願っていたのが通じたようだ。お風呂に入れても泣かないし、じっとしている。

沐浴が終わって体重を量る。「2800gです。」小振りで、出産には理想的な重さだったらしい。

カミさんも体調はいいようだ。出産後わずかな裂傷があったが、今日はもう塞がっているという。傷にはテルミーの灰を塗っていたらしい。ん〜、竹炭の粉もすごいが、これもすごいな。効果てきめんだ。

おっぱいをやると子宮がギュッと収縮するのがわかるという。母体が妊娠から普通の体に戻る過程だ。

そうか。病院で産むと、生まれた赤ちゃんとお母さんがすぐ引き離されて、母乳が飲めないんだよな。
赤ちゃんだけがズラッと並んでいるのは、母体と赤ちゃんのために良くないよな。どっちも寂しいだろうし、赤ちゃんに必要な免疫の供給を閉ざされるわけだ。 母乳の詳しい説明→ヒロさんの日記8/17付け(スクロールバーで引っ張り出してね。)

なおさんは母乳の出が良くなるように、おっぱいマッサージをする。乳腺炎にかからないよう、そして赤ちゃんが母乳を吸いやすいように。

そして、出産で疲労した体をほぐすために、マッサージをする。骨盤や背骨の歪みを矯正する。

僕も時々人にやるが、結構力ずくで矯正するのに対し、なおさんはほとんど力をいれず、『気』のエネルギーだけでやっているようだ。テルミーも使ってリラックスさせる。

僕の母親がつぶやいた。「私のお産のときは、促進剤を打たれて、たくさん出血してもうさんざんだった。病院じゃこんな事して貰えないもんね。こんなにして貰えるなら、若くて体力があればもう一回くらい産んでみたいな。」
そんなこと本気で考えてもらったら複雑な事になる・・。

「なおさん昼飯食べて行きなよ。俺が作るわけじゃないけど。」
「いつも和仁家では、養い子のように食べさせてもらってすいません。布団まで敷いてもらって泊まったりするし。」
「あれ?他の家でお産があるときもそんなじゃないの?」
「あまりないですね。こっちも気を使うし・・。」
「なんだ。いまどきはみんな結構ドライなんだな。」

助産婦という仕事も大変だな。今回の我が家のお産はお盆をはさんでいたので、きっといつ呼び出されるか気になって、ゆっくりしてられなかったろう。正月もお盆も関係なし。

そういえば、久し振りに旅行に行ったときも、宿で寝ようと思ったときに妊婦さんに携帯で呼び出されて帰ったことがあったらしい・・。

「私が助産婦を始めて、この子がちょうど50人目くらいなんですよ。だから私にとっても記念になるお産だったな。」
へぇ〜。年は僕より二つくらい下なのに、結構場数を踏んでいるんだな。
ご苦労様でした。 (まだ続く。)

2002.08.28

ブログ『耕す場所』


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