●このあたりの方言●




福岡に引っ越してきた頃は、方言になれるのに時間がかかった。
特にお年寄の人は何を話しているのか理解するのに非常に苦労した。まるで外国にでも来たような気分・・・。しかし、慣れてくるとなんとも「いいなぁ」と思います・・ 筑後弁。
いつの間にか僕も筑後弁(正確には田主丸弁か)で会話するようになり、時々東京の知人と話すと(筆者は東京出身!)「お前、訛ってるよ。」「何言ってるかちっともわからない。」などと言われる始末。もはや文章を書くときさえこっちの言葉を頭の中で標準語に整理しないといけない。頭の中でワンクッション置いて話すのは不便である。やはり方言は地方の文化として残っていて欲しい。僕の娘は立派な田主丸弁speakerです。


思いつくままに並べてみると・・・

*がまだす・・・「がんばる」こと
*せからし・・・「うるさい」「やかましい」こと
*いっちょん・・「ちっとも」「ぜんぜん」
*すらごつ・・・「嘘」。『うすらごと』が語源か?
*あんくさ・・・「あのね」。「〜くさ」は接尾語「〜ね」「〜してさぁ」のような感じで使う。
*びきたん・・・「カエル」のこと
*ばってん・・・「だけど」
*どんこんされん「どうにもならない」
*えずか・・・・「怖い」「恐ろしい」
*そげなこつ・・直訳は「そんなこと」だが、実際は会話の最中に「へぇ〜、そうなんだ」のようなニュアンスで使われる。
*にくじ・・・・「いじわる」「悪態をつく」
*とても・・・・標準語の表現ではあるが、発音がおもしろい。どちらかと言うと大変なときや、あまり良い話でないときに使われる。アクセントとしては真ん中の「て」に力が入る。
*にし・・・・・「おまえ」
*あんやつ・・・直訳「あの奴」。「あいつ」のこと
*すいとお・・・「好きだ」

例文
「にしゃゆうべはいっちよんのまじゃったばってん、どげんかあるの?
びょういんまでかけてってしらべちこんの。
いつまででんわかいちおもとったら・・。かんぞうでもやられたならぁ〜とても。どんこんされんめぇが。」


ひらがなで書いたけど、だいたいの意味はわかるでしょうか?
アクセントや表現(発音)が文字では伝わらないのが残念ですが。

もうひとつ興味深いのは、書き言葉にも筑後弁が出てくる例
「・・・会があってました。」
役所などの公共の出版物でもこんな表現を見ることがあり、これだけはいつも笑ってしまうのです。



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