●これから先の放射能汚染の影響●



放射性物質は目に見えるものでもないので、事故後は時間の経過と共に事態が沈静化したような感じを受けてしまうですが、恐らく長い時間が過ぎてさまざまな影響が出てくると思います。
様々な化学物質の毒性は急性の症状はデータも出やすいのですが、長期的な毒性はなかなかわかりにくいのが実態です。

3月下旬に、所属する環境系市民団体の原稿を書きまして、こちらではあくまで環境と原発の関係だけで終わってますが一応話の流れとして、参考までに。→耳納ねっと!通信 原稿 (ここで生物濃縮の話を書いてますが、これが今から問題になります。)

半減期が8日間の放射性ヨウ素が1ヶ月以上経過してもまだ大気中・水道水中で検出されることから、臨界が繰り返されていることは確実です。常にくすぶったまま、いつまでも放射性物質は放出される状態が続きます。
放射能の大気放出は1日154兆ベクレル だそうです。

広島・長崎の原爆 (ある意味でチェルノブイリの事故も)の場合は瞬間的な放出でしたが、今回のケースはこれらとは違うため予測が難しい面がありますが、確実に言えることは次の世代を担う子供たちの健康へのリスクがあまりにも高いことです。

呼吸や食べ物の摂取で体内に放射性物質を取り込むと”内部被曝”という現象になります。ヨウ素・セシウム・ストロンチウムなどの元素が細胞に放射線を直接浴びせることになります。常に至近距離から放射線を浴びせられる細胞はDNA損傷を起こし、ガン細胞が発生したりします。程度の差はあれ、日本に住んでいれば内部被曝は避けられないでしょう。

急性症状が出るのは、短時間で大量に摂取した場合ですが、微量で長い時間をかけて体内に入ると、症状として確認できるまでに数年(最低5年くらい)かかり、妊婦さんでは次の世代に影響が出てきます。そして、時間が経つほどに放射能との因果関係の立証が難しくなります。

政府・東電関係者が口を揃えて「ただちに〜」と言っていたのは間違いではないのですが、健康被害の科学的なデータではなく現状の原発からの放出量に合わせて許容量の基準値を上げていますから(子供の年間被爆線量が20マイクロシーベルトに)、「先のことは知らないが。」と宣言しているわけです。

少なくとも赤ちゃんから生殖能力のある世代までは真剣に体内被曝に関しては気をつけてください。

■子どもだけは救おう

状況はめまぐるしく変わっていきますし、不安な要因はこれから次々出て来るのは確実です。
(重要な事実の公表は、後回しになるでしょう。)

しかし起こっている現実を冷静に認識して、対策をすれば不安もリスクも回避できます。

体に入ることを防ぎ、入ってしまったら体外に出す方法が見つけられれば安心です。 続く

2011.04.29


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