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最高裁判所判例
貸金業者との間の金銭消費貸借上の約定に基づき利息の天引きがされた場合における天引利息については、貸金業の規制等に関する法律43条1項の適用はない。
貸金業の規制等に関する法律17条1項に規定する書面に該当するためには、当該書面に同項所定の事項のすべてが記載されていなければならない。
貸金業者が貸金の弁済を受けた日から20日余り経過した後に債務者に当該弁済についての書面を送付したとしても、貸金業の規制等に関する法律43条1項の適用要件である同法18条1項所定の事項を記載した書面の弁済直後における交付がされたものとみることはできない。
<要旨>
貸金業者は、債務者から取引履歴の開示を求められた場合には、その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り、貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として、信義則上、保存している業務帳簿(保存期間の経過して保存しているものを含む。)に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負う。
取引履歴の開示を拒絶したときは、違法性を有し、不法行為を構成する
→債務整理であろうと過払請求であろうと理由を問わず開示の義務があるとの判断により、消費者金融等から取引履歴の全開示がなされるようになりました。
<要旨>
リボルビング契約の場合でも個々の貸付けについても「返済期間及び返済回数」や各回の「返済金額」「残元利金についての返済期間」「返済金額」等の記載が必要で、記載のないものについては、みなし弁済が成立しない。
<要旨>
債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下での制限超過部分の支払についての任意性を否定しました。
→事実上、みなし弁済が認められなくなりました。
<要旨>
貸主と借主との間で継続的に貸付けが繰り返されることを予定した基本契約が締結されていない場合において、第1の貸付けに係る債務の各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると過払金が発生し、その後、第2の貸付けに係る債務が発生したときには,特段の事情のない限り、第1の貸付けに係る過払金は、第1の貸付けに係る債務の各弁済が第2の貸付けの前にされたものであるか否かにかかわらず、第2の貸付けに係る債務には充当されない。
商行為である貸付けに係る債務の弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当することにより発生する過払金を不当利得として返還する場合において、悪意の受益者が付すべき民法704条前段所定の利息の利率は、民法所定の年5分である。
→基本契約が別の場合には、最初に発生した過払金は次の借入金に当然に充当されることはないと判断され、この判決以後、実務上厳しい対応を迫られることが多くなりました。
→過払い利息が5%か6%かで争いがありましたが、この判決により5%と確定しました。
<要旨>
同一の貸主と借主との間でカードを利用して継続的に金銭の貸付けとその返済が繰り返されることを予定した基本契約が締結されている場合で、債務の弁済が借入金の全体に対して行われるものと解されるという事情の下においては,上記基本契約は、同契約に基づく借入金債務につき利息制限法1条1項所定の制限を超える利息の弁済により過払金が発生した場合には、弁済当時他の借入金債務が存在しなければ上記過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含んでいるものと解するのが相当である。
→同一の基本契約の場合、発生した過払金は次の借入金債務に当然に充当できる。
<要旨>
貸金業者が利息制限法の制限超過利息を受領したがその受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合と民法704条の「悪意の受益者」であると推定される。
→事実上、過払利息が否定されることはなくなりました。
<要旨>
基本契約が別である案件について完済後、約3ヶ月後に再度借り入れをした事案につき、長年にわたり反復継続した取引をしているため、一連の取引として借入金債務について過払金が発生した場合には、その後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含んでいると解される。
→基本契約が別であったとしても取引形態や空白期間によっては充当可能。
<要旨>
基本契約が2つある場合、最初の基本契約で発生した過払金は特段の事情がない限り次の基本契約に充当されない。
充当するには、第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在するなど特段の事情が必要である。
下記のような事情を考慮して、第1の基本契約に基づく債務が完済されてもこれが終了せず、第1の基本契約に基づく取引と第2の基本契約に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができる場合には、合意が存在するといえる。
@第1の基本契約に基づく貸付及び弁済が反復継続して行われた期間の長さやこれに基づく最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸付までの期間
A第1の基本契約についての契約書の返還の有無
B借入れ等に際して使用されるカードが発行されている場合にはその失効手続きの有無
C第1の基本契約に基づく最終の弁済から第2の基本契約が締結されるまでの間における貸主と借主との接触の状況
D第2の基本契約が締結されるに至る経緯
E第1と第2の各基本契約における利率等の契約条件の異動
<要旨>
過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては、同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は、過払金返還請求権の行使について上記内容と異なる合意が存在するなど特段の事情がない限り、同取引が終了した時点から進行する。
→取引が継続していれば10年以上前に発生した過払金でも消滅時効の対象になることはほとんどなくなり、全額の回収が可能となりました。
<要旨>
貸金業者が、借主に対し、期限の利益の喪失を宥恕し、再度期限の利益を付与したとした原審の判断に違法があるとされた
→「期限の利益喪失」というものは、元利金の支払いを怠ったときは、通知催告なくして期限の利益を失い、債務全額及び残元本に対する遅延損害金を即時に支払わなければならないというものです。
約定日を経過した後の支払いは期限の利益を喪失しているため、法定金利×1.46倍の損害金が認められることになります。原審では、延滞した時に一括請求していなかったのだから再度期限の利益を付与したと判決しましたが、本判決ではそれを認めませんでした。 但し、本件事案は、「利息」ではなく「損害金」との記載のある領収書を交付しているなど期限の利益の喪失を前提とする記載がされた書面が交付するなどの事情があった場合であり、すべてのケースで適用されるわけではありません。
<要旨>
平成18年判決の言い渡し日以前の期限の利益喪失特約下の支払いについては、これを受領したことのみを理由として当該貸金業者を悪意の受益者であると推定することはできない。
→平成18年判決は、「債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞した ときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下で制限超過部分を支払った場合、そ の支払いは原則として債務者が利息として任意に支払ったものということはできない」 と判示したものです。
今回の判決により「期限の利益喪失特約」があるだけでは、平成18年判決以前の取引については、貸金業者が悪意の受益者であるとは認めてもらえなくなりました。
しかしながら、現在の過払い訴訟においては、ほとんどの貸金業者はみなし弁済成立のための要件である17条書面、18条書面の交付について立証できませんので、悪意の受益者ではないとは認められないでしょう。
<要旨>
貸主が悪意の受益者であるときは、貸主は民法704条前段の規定に基づき、過払金発生の時から同上前段所定の利息を支払わなければならない。
→業者は過払い金の発生時期は取引終了時だとか請求を受けた時であるなどという主張をしてきましたが、この判決でそのような主張は認められなくなりました。
平成21年9月4日に最高裁判所が過払い利息の発生時期について判断しました。
<要旨>
貸金業者において、特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが、信義則に反し許されないとされた事例
→借主が勝訴しています。
貸金業者は、借主が期限の利益を喪失していないと誤信していることを知りながら、6年にもわたって高金利を受領し続けたにもかかわらず、過払い金の返還を求められると、既に期限の利益を喪失しており、その後に発生したのは利息ではなく損害金であるとの主張は、期限の利益を喪失していないものと信じて支払いを継続してきた借主の信頼を裏切るものであり、信義則にはんして許されない。
<要旨>
貸金業者において、特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが、信義則に反し許されないとした原審の判断に違法があるとされた事例
→貸金業者が勝訴しています。
期限の利益を喪失した後も約定で定められた支払期日までに弁済したことはほとんどなく、1カ月以上遅滞したこともあったので、期限の利益を喪失していないものと誤信して弁済したとはいえないと判断されています。
<要旨>
- 基本契約に基づき継続的に借り入れと弁済が繰り返される金銭消費貸借取引において、基本契約に定められた借入極度額は、元本ではなく、各借入れの時点における従前の借入金残元本と新たな借入金との合計額が利息制限法1条1項にいう「元本」にあたる。
- 元本が利息制限法1条1項所定の各区分における下限額を下回るに至ったときに、上記取引に適用される制限利率は、変更されない。
<要旨>
平成14年2月28日にタイヘイがCFJに貸金債権を一括譲渡したが、その段階で既に過払金が発生していた場合、その過払金の返還義務はCFJにはない。
→平成14年2月28日より前に過払金が発生していた場合でも、それ以降の過払金しかCFJには請求ができません。
しかし、タイヘイに返還請求すれば、タイヘイは今のところ返還してくれています。
過払金の消滅時効は10年なので、平成24年2月28日以降はタイヘイにも請求することができなくなります。
<要旨>
平成14年5月2日にマルフクがCFJに貸金債権を譲渡したが、その段階で既に過
払金が発生していた場合、
その過払金の返還義務はCFJにはない。
<要旨>
プロミスが当時の子会社クラヴィス(旧クオークローン)と顧客の契約をプロミスと顧客との間の取引に切り替える趣旨で金銭消費貸借取引に係る基本契約を締結するに当たり、顧客とクラヴィス(旧クオークローン)との間で発生していた過払金返還債務をプロミスが引き受けなければならない。
→クラヴィス(旧クオークローン)がプロミスの子会社であった当時は、クラヴィス(旧クオークローン)に過払い金を請求すれば支払ってもらえましたが、ネオライン系の関連会社になってからは、クラヴィス(旧クオークローン)から過払金の回収ができなくなりました。そこで、プロミスに対して、クラヴィス(旧クオークローン)の時代に発生した過払金も請求できるかが争われたものです。
<要旨>
リボルビング方式の貸付けについて、貸金業者が17条書面として交付する書面に確定的な返済期間、返済金額等の記載に準ずる記載をしない場合は、17条書面には上記記載を要するとした最高裁判所の判決(平成17年12月15日判決)以前であっても、当該貸金業者につき民法704条の「悪意の受益者」との推定を覆す特段の事情があるとはいえない
→CFJ 確定的な返済期間、返済金額等の記載の開始 平成16年10月
プロミス 確定的な返済期間、返済金額等の記載の開始 平成14年10月
この時点(17条書面の改訂時)で過払が発生していれば、悪意となります。
この時点(17条書面の改訂時)で債務が残っており、それ以降に過払いが発生した場合や改定時以降に取引を開始した人の場合、今後争点となるおそれもあります。
<要旨>
継続的な金銭消費貸借取引に係る基本契約が過払金充当合意を含む場合には、特段の
事情がない限り、まず過払金について発生した民法704条前段所定の利息を新たな
借入金債務に充当し、次いで過払金を新たな借入金債務の残額に充当すべきである。